1秒を体感せよ!
【7月1日午前9時直前】3年半ぶりに起こることとは...
2012年6月29日 11:00 MSNニュース
地球の自転速度に標準時刻を合わせるため、平成21年1月1日以来、3年半ぶりの平成24年7月1日に1秒の「うるう秒」が挿入されるそうでございます。
半世紀ほど前までは、時間や時刻は、地球の公転・自転に基づく天文時が使われていました。しかし、科学の進歩に応じた高精度な時刻が必要となり、現在の時刻は、原子時計をもとに決められています。この原子時計と地球の自転に基づく時刻の差が±0.9秒以内になるように、1秒だけ調整を行った時刻を協定世界時(UTC)と呼び、今ではこの時刻が、世界の標準時として使われております。この1秒の調整が「うるう秒」で、第一回目は昭和47年(1972年)7月1日に実施されました。
地球の自転速度は、不規則で、いつ「うるう秒調整」が実施されるかについては、長期の予測ができないのだとか。
そのため、地球の自転を正確に観測し、地球の自転が遅い(1回転にかかる時間が長い)場合には、午後11時59分59秒のあとに1秒を挿入し、速い(1回転にかかる時間が短い)場合には、午後11時59分58秒の次の59秒をとばして、午前0分0秒にすることにより、1秒減らします。
今回、日本時間では午前8時59分の最後の秒で調整がおこなわれることになり、7月1日午前8時59分59秒と午前9時の間に「午前8時59分60秒」が入り、1日が1秒長くなります。
さて、この「うるう秒」、どうすれば実感できるのでしょうか?
日本の標準時を管理する独立行政法人、情報通信研究機構(NICT)からは、
1:NICTの日本標準時などの報道を見る。
2:電波時計をそのままにしておくと、9時前は合っているが、9時以降、次の受信が行われるまで1秒ずれる。1秒ずれたことを確認して、再度受信すれば、1秒のずれが分かる。
3:NTPで9時以前に正確な時刻にしておく。9時以降、時刻が1秒ずれたことを確認した後、NTPで時刻合わせを行い、正確な時刻になったことを確認することで、1秒ずれたことが分かる。
4:NICTのウェブサイトによる時刻お知らせ
(ただし、回線の状況によっては1秒以上ずれたり、つながりにくくなることがあるため注意)。
5:NICT本館のデジタル時計表示。
6:「おおたかどや山標準電波送信所」のある福島県田村市都路町・双葉郡川内村にある時計モニュメントの表示。
これら6つの方法をお知らせいただいております。
東京都小金井市にあるNICTでは当日、イベントが開催され、デジタル時計で午前8時59分60秒が目視できるそうでございます。
またNTT東日本・NRR西日本では、当日の時報サービス「117」のガイダンスを、下記のように変更するのだそう。
●加入電話、INSネット(電話サービス)から発信した場合
午前9時00分00秒の3秒前から予報音を3回(58秒59秒60秒)鳴らし、時報音(ポーン音)を1回(00秒)鳴らす。
●ひかり電話(電話サービス)から発信した場合
午前9時00分00秒の4秒前から予報音を3回(57秒58秒59秒)鳴らし、時報音(ポーン音)を2回(60秒00秒)鳴らす。
これが一番手軽に体感できる方法かも知れませんね。
ちなみに、「うるう秒」については、世界的な情報化が進むにつれて、実は廃止派の声が高まっております。
1999年以降、国連に属する担当機関「国際電気通信連合(ITU)」が廃止の是非に関して審議を行っていますが、未だ解決策には至っておらず、結論が先延ばしにされています。「廃止」された場合の誤差は、50年間の累積で30秒、100年間の累積で100秒程度と試算されております。
数千年単位で考えれば、何時間もの誤差になってくることを考えますと「1秒」の長さを思い知る気がいたします。普段の生活でなかなか実感することのできない「1秒」という時間を、この機会に体感なさってはいかがでしょうか?
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