小規模な緑化では争いの火種になる。3年で日本と同じ面積失う=世界の砂漠化―国連対処局長
時事通信 6月4日(火)18時33分配信
横浜市で開かれていた第5回アフリカ開発会議(TICAD5)のため来日したルック・ニャカジャ国連砂漠化対処条約(UNCCD)事務局長は4日、世界の砂漠化について、出身国のアフリカ西部ベナンと同じ面積(約11万平方キロ)が毎年砂漠になっていると危機的状況を訴えた。これは「日本と同じ面積(約38万平方キロ)の緑が3年で地球から消えているのにほぼ等しい」と指摘した。
都内の国連大学で時事通信のインタビューに応じた。砂漠化には、サハラ砂漠周辺国などアフリカの一部の問題と考えがちな「誤解がある」と懸念を表明。地球温暖化で先進国の責任が問われているのと同様、砂漠化も地球規模で影響を与え合う問題で「全ての国が危険性を認識しなければならない」と警告した。
また「地球上の10の紛争のうち八つが乾燥地で起きている」と分析したジェフリー・サックス米コロンビア大地球研究所長の言葉を紹介。スーダン西部のダルフール紛争や、フランス軍が介入したマリ北部の内戦も「報道では政治や宗教に関連付けられがちだが、実は水や耕作地の奪い合いが真因になっていることが多い」と指摘した。砂漠化を食い止め「耕作地に戻し土地に水を回復する」ことが平和構築に欠かせないと強調した。
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