固有の生物、それも希少種なら希少種の楽園の島にドブネズミ繁殖、捕食被害も
読売新聞 3月5日(水)12時2分配信
福岡県宗像市の約60キロ沖の玄界灘に浮かび、国の鳥獣保護区に指定されている沖ノ島にドブネズミが生息していることが、北九州市立自然史・歴史博物館の武石全慈(まさよし)学芸員(61)(鳥類生態学)らの調査でわかった。
ドブネズミは本来、島には生息しない外来種で、入港する漁船などに紛れて侵入したとみられる。野鳥を捕食するため、多くの希少種が生息する島の生態系への悪影響が懸念されている。
ドブネズミは中央アジア原産の大型のネズミで、人家や下水溝などに生息する。武石さんらは野鳥の生息調査をした2010年、島を所有する宗像大社の許可を受け、ドブネズミを6匹、12年に1匹を島南部の港や山腹の林などで捕獲した。
約1キロ沖の無人島・小屋島などを含む一帯では、環境省のレッドリストに掲載されている野鳥が15種確認されており、国の鳥獣保護区として狩猟が規制されている。特に被害が懸念されるのが、レッドリストで絶滅危惧2類のカンムリウミスズメとヒメクロウミツバメ。体長20センチ前後の海鳥で、春と夏の繁殖期に上陸し、岩のすきまで抱卵している時などに襲われるという。
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